介護の基本「介護の三原則」とは

介護の三原則を知っていますか?

これから、介護に携わる方は聞いたことがないと方が多いかと思います。

また、介護に携わっている方の中には「聞いたことがあるかも⁈」「覚えていないかも・・・」という方もいるのではないでしょうか?


介護の三原則は、介護における基本理念として日本をはじめ世界各国で取り入れられています。


それでは、介護の三原則についてお伝えしていきたいと思います。



介護の三原則って何かしら?


介護の三原則とは、介護の基本的を意味していることです。

介護の基本はデンマーク生まれです。

デンマークは福祉の先進国で、福祉省による高齢者問題員会の設置後、当時委員長であった「ベント・ロル・アナセン氏」によって介護の三原則が提唱されました。

これが、現在の介護の基本理念となりました。


では、介護の三原則とはどのような考えなのでしょうか?解説していきたいと思います。



介護の三原則の基本は3つ!


〇生活の継続性

〇自己決定の尊重

〇残存能力の活用

それぞれ、どのような内容なのか説明いたします。


1.生活の継続性

生活の継続性は、今まで送ってきた生活を断絶することなく、継続性をもってその人らしく生活をおくるという考えです。


高齢者になり介護が必要になっても、自宅で生活が維持できるようにサポートしていきます。

例えば、介護施設へ入居することになったとしても、安心して生活が営めるように、生活環境やリズムなどに配慮していくことが重要です。


住み慣れた場所から離れ、環境が変わることは高齢者にとってとても沢山のストレスとなります。

とくに認知症を患っている高齢者の場合は、生活環境の変化により症状が悪化してしまうケースもあります。


日本ではなかなか考えにくい事ですが、デンマークの介護施設では、使い慣れた家具などを自室に持ち込み今までの生活が営めるようになっています。


本人が望んでないことでも、介護する側が「便利だから」、「都合がいいから」との理由で、その人のこれまでの生活を断ち切らないようにするのが理想ですね!


2. 自己決定の尊重

自己決定の尊重は老後の生活のあり方を高齢者自身で決め、その思いを尊重することです。

介護が必要になったとしても「どのような内容なのか説明生活を送りたいのか」自己決定ができる環境が理想です。


現在の日本では、家族や介護施設などの周囲の都合で決められてしまう傾向にあり、高齢者の意思はあまり尊重されにくいのが現実かと思います。


また、高齢者もご家族に「迷惑をかけたくない」という思いから、自分の意思を伝えられず周囲に合わせてしまう傾向があります。


デンマークでは、介護が必要な高齢者が「家で暮らしたい」と意思を伝えれば、その意思に寄り添い社会が動き支援しています。

例えば、寝たきりの状態高齢者の方でも、家での生活を希望すればその意思を尊重できる体制が整っています。


日本の介護職にとって大事なことは、なかなか意思を伝えられない高齢者の方の本心を引き出してあげることではないでしょうか。


3.残存能力の活用

残存能力の活用は、今できる能力を最大限に活用しながらリハビリをすることです。

自分の能力を活かすことが大切なことで、日常生活においても「自分のことは」自分で行うという考えです。


介護職員としてよくやってしまいがちなことですが、つい仕事が忙しく時間をかければ本人でもできることに手を出してしまうことではないでしょうか。

過度な介護で本人の「やろうとする気持ち」や「できること」を奪ってはダメです。


デンマークでは、本人のできる事に手助けをしてしまうと残存能力が低下する傾向にあるので、してはいけない考えを徹底的に周知させています。

今ある能力を維持・向上させ自立させるためにも、支援は最低限にとどめ福祉用具等を活用し、自分でできることはしてもらうことが大切ですね。


介護職員として「できないことをサポートする」ということを意識しておくことが重要ですね。


まとめ

介護の三原則は、自分らしく生活していけるよう高齢者の一人ひとりの思いを尊重することを目的としています。

デンマークのような介護を提供することは、現在の日本では難しいかもしれません。

しかし、介護の三原則に沿ってできる限り支援をすることで、介護を必要としている高齢者が少しでも自分らしく生活できるようになるはずだと思います。


すでに介護職として働いている方は「介護の三原則に沿って支援できているか?」「仕事上の都合で支援していないか?」など一度立ち止まり、振り返ることも必要なのかもしれません。

介護の現場は毎日、目まぐるしく動いています。

効率的に動くことを優先してしまい、高齢者の方の気持ちは後回しにしてしまう時もあるかと思います。

そうならないためにも、これからの介護職員として「できないことをサポートする」ということを意識していきましょう!


最後までお読みいただきありがとうございます。

リハビリデイサービス ジール

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